封筒には『立夏さんへ』と華奢な文字がかかれていた


ぞくりと背中が泡立つと嫌な予感が駆け巡った

立夏はそれを払拭するように開封した



『立夏さんへ

手紙なんてはじめて書きます、だから何を書いていいのかわかりません

まずは退院おめでとうございます、多分この手紙をみる頃には私は居ないはずですけど心配しないでくださいね?

この前、ある人に言われました立夏さんの幸せを考えてって

それを考えれば考える程私の存在が邪魔になると思ったんです

そんな私では立夏さんを幸せに出来そうもありません。だから出て行きます


記憶がなくても私が好きだと言ってくれたこと凄く嬉しかったです

私も例え一生私のことを思い出さなくても立夏さんが好き

だからこの前はゴメンナサイ
好きじゃないと嘘をつきました


短い間でしたけれどお世話になりました

白石さんとお幸せに



御堂由衣』