律子がお粥を由衣の寝室に運んできた


 「由衣様…少しでもお召し上がりください…」

 「…置いといて下さい…」


布団から顔も出さない由衣

いや、出せないのだ…ずっと泣いていたため目は兎のように真っ赤に染まっていた


 「由衣様……なにかあるのなら…」

 「ないです」

 「…そうですか…これから私たちは立夏様をお迎えに参ります……由衣様も来られますか?」

 「…いえ」


由衣の答えにはぁとため息をつく律子


 「…本家に一度寄りますので、お昼頃に帰って参ります…」