じたばたと動く由衣に立夏は悲しくなった


 (どうして?何が合ったんだ由衣…僕のこと嫌いなのか?…)

 (離してっ……立夏さん…お願いだからっ)


由衣の瞳から溢れ出し雫が立夏の肩を濡らした


 「……立夏…さん…お、願い……離して……」


由衣の声の震えに立夏は腕の力を抜いた

その瞬間由衣は立夏の胸を押して病室を出て行った


 「…由衣……由衣……
 …愛してる」


そのつぶやきは誰にも聞こえず

由衣にも届かなかった