由衣は俯きながら涙をこぼしていた
真由の言うように両親のことを覚えていない自分は薄情だ
こうして南に話してもらっても何一つ思い出せない
ただ由衣は思い出せないくらい小さな頃からここに預けられていただけなのだ
「っ…ひっ……っく…」
「由衣……」
南は由衣の隣に座ると優しく抱きしめた
(でも…なぜ今になって…こんなこと聞くのかしら?)
小さな肩を震わせて泣いている由衣
(…お父さん、お母さん…ごめんなさい……何も思い出せなくてごめんなさい…)
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