由衣の様子に異変を感じて聞いてもただ由衣は首を横に振るだけ

律子がリビングに戻ると村田が由衣の落としたカップを片づけていた


 「由衣様は?」

 「いいえ…何もないって言うばかりで…」

 「…誰かが来ていた見たいですね…」


村田はテーブルに置かれているカップに口紅がついていることに気がついた


 「…誰が…」


律子がこぼすと村田には誰かは見当がついた


 「白石様じゃ…」

 「えっ……でも、今更何の用が?」
 (白石家との縁談は破談になったって奥様が言っていった…)