「…えっ……今なんて…?」


一瞬何を言ったのかわからなくて聞き返した


 「くすっ…聞いてないのかしら?」

 「…聞いてないって……」

 「立夏さんも早く言えばいいのに、出て行けって」


真由はニコリと微笑んだ

由衣にはその笑顔に凍りついた


 (うそだ……嘘…)



立夏の記憶はまだ戻らないがそれでも立夏は由衣を愛していると言ってくれている


由衣にはその言葉がなによりも嬉しかった

由衣自身も立夏の記憶が戻らなくても立夏への気持ちが変わるわけでもなかった


それなのに真由との婚約パーティー?

由衣は一瞬にして固まってしまった