* * * * *
「由衣ここに座って」
里香子が退室した部屋では立夏がベッドの端に由衣を呼んだ
由衣はおずおずと立夏のそばにちょこんと座った
と言っても立夏に背を向けた状態
「由衣、僕のほう向いて」
立夏は由衣を体を反転させて自分に向けた
「っ……」
「やっぱり変…昨日のこと怒ってるのかい?」
(えっ…)
俯いていた顔が立夏をぱって見上げた
「昨日…ちょっことキスしたろ?それで怒ってるのかな?」
(そんな…こと…)
ないと言葉に出来なくて、由衣は泣きそうな表情を立夏に向けた
(私の声は…立夏さんを不幸にする…)
そう思いこんでいた