(…頭痛がなくなった…この子が来てから?)


立夏はチラリと由衣を見た

母や村田が気にする自分にとって「大切な人」


儚げな雰囲気、人形のような顔のつくり

確かに守ってやりたくなるな

なんて思ってしまう


 「「あの…」さ」


二人同時に言葉を発して鈴は吹き出すのを堪えた


 「…立夏さんから…」

 「い、いや…由衣、から…」


「由衣」と言われてはっとして立夏を見上げた


 (思い出したの?)


淡い期待をしてしまう

が、立夏は目が合っても何も言ってこない、むしろ目が合って恥ずかしくなって顔を背けてしまった