由衣はにっこり笑ってお箸を進めた


 (…本当に可愛い子だよね~あたしでも惚れちゃいそうだもん)


鈴は昨日母から聞いていたことに思いをふせた


 (…立夏様…由衣のこと本当に忘れちゃったの?)


隣でにこにことお弁当をつつっいている由衣をちらりと見た


 (由衣もあたしに気を使ってるのかな?…あたしにくらいは話して欲しいな…由衣の気持ち)


由衣が立夏に引き取られる前から母の律子から由衣のことは少なからず聞いていた


理由は知らないが声を出すのをやめた少女

なのに自分と初めて会った時から少しは話が出来たことに驚いた

立夏と一緒にいるところを見たことはないが律子は微笑ましい二人だと聞いていた