「村田さん…彼女は僕の何?」

 「…由衣様のことですか?」

 「由衣って言うの?」

 「えっ…えぇ…」


立夏はパソコンを開いてカタカタとボタンを打ちながら聞いていた


骨折している右足はつられてはいるが渋る医師に「本郷グループを潰す気ですか!?」と脅して(言葉は悪いが)上半身を起こして書類整理をしていた


 「…由衣様は…立夏様から大切な方と伺っております…」


村田は敢えて「婚約者」とは言わなかったのは立夏自身で思い出して欲しかったからだ

もちろん「婚約者」と言って由衣を思い出すのも有りかと思ったが、良い機会とも思った