『あっ…』
「なんだ?」
『社長がいらしてました』
「社長が?」
立夏は怪訝な顔をした
社長、つまりは立夏の父龍郎(たつろう)
『立夏様が不在と言いましたら、すぐに帰られましたが…』
「どうせ、由衣のことだろ?ほっておいてくれ」
『かしこまりました。由衣様とご一緒ですか?』
「もちろん」
『やっとお迎えにあがられたのですね…』
立夏専属の秘書高木は立夏よりも年上で頼りになる数少ない人間だ
「なにか合ったら連絡してくれ」
『はい、では…』
携帯を耳から外すと村田にケーキを受け取っている由衣を見た
(…やっと…僕のものに出来る…由衣)