立夏はぼや~と窓の外を見ていた


 (さっきの子は?…僕のなんだんだ?)


そう思ってもなにも思い出せない


そこへ里香子が帰ってきた


 「立夏、気分は?」

 「普通だね~ただ足が不自由すぎる」


と笑いながら言う立夏


 「あ~まずいよね」

 「何が?」


里香子はベッドのそばのイスに座って果物を剥き始めた


 「仕事」

 「……まぁ…お父さんがどうにかするでしょ?それより…早く…」

思い出して欲しい

由衣のことを

あんなに大切だった子を忘れたなんてあってはならないから