広いリビングで二人きりなるとはっきり言って気まずい


 (何話せば……)

 「帰りたい?」

ーえっ…

弾かれたように立夏を見ると不安げな表情で由衣を見ていた


 「いきなり婚約者でいきなり一緒に住むって…南さんのところに帰りたくなった?」


由衣は立夏に見つめられるとパッと反らした

立夏にはそれが肯定的に見えて肩を抱いて引き寄せた


 (え…)


なにが起きたのかわからず目をぱちくりと丸くしている


 「でも…離さないから…」


立夏の震える声に由衣は何も考えられず立夏の腕にそっと手を乗せて首をもたげた