立夏は2階の由衣の寝室のドアの前に立っていた


 (…会うのが…ためらわれるな…)


立夏は深呼吸するとノックした


 「?」

まだ寝ているのかとドアをゆっくり開いて中に入った


 「由衣っ!?」


ベッドには寝ていた跡が残っていた

シーツに触れてみるとほんのりと暖かい


 「由衣っ!!」


弾かれたように1階に戻ると立夏の大声で村田が心配そうに階段の下で待っていた


 「いかがされました?」

 「由衣がいない、」

 「えっなんと!?」

 「携帯も財布も置きっぱなしだ」

 「そんな…どちらへ…」

 「由衣……っ…」

 「南さんのところに行ってみる、由衣が帰ってきたら連絡して」

 「はい、もちろん」