立夏は振り返ることなく立ち止まった
律子が変わりに振り向くと振袖の真由がにこにこと近づいてきた
(…やはりきていたのか…)
「由衣顔上げないでね?」
由衣の囁くとコクリと頷いた
由衣自身もまだ止まらない涙でぐしゃぐしゃな顔を見せる気もなかった
「立夏さん、もう帰られるの?私のこと皆さんに紹介して下さるんでしょう?」
律子は真由に軽く会釈したが、真由はお構いなしに立夏に詰め寄ってきた
(…由衣様とは大違い…)
横柄な態度の真由のことをよく思っていない律子
「あら?どちら?」
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