ふたりで学校を抜けて、秋風に吹かれる中で、少しだけ呼吸が楽になった気がした。
無意味にはしゃぐあたしに理由を問うでもなく、ヒロトはそれに付き合ってくれる。
目的地なんてないけど、彼が前を歩くから、あたしもそれに続いた。
駅に着いて、電車に乗って、降りた先に広がる景色は、見覚えがある。
「俺んちで良いだろ?」
自分の地元まで連れてきておいて、今更そんなことを聞くだろうか。
しかも、「良いだろ?」という確認の仕方が彼らしい。
思わず笑ってうなづくと、またあたし達は歩き出した。
駅から5分程で、ヒロトの暮らすマンションに着く。
ここにはみんなを含めて何度か来たことがあるし、だから新鮮さなんてものはない。
エントランスを抜け、エレベーターに乗り、部屋の前に来た彼は、鍵を取り出しそれを開けた。
だけどもあたしがノブに手を掛けようとした時、それをヒロトの手が掴む。
「なぁ、ここ俺んちだぞ?」
言葉の意味がわからず、あたしは眉を寄せた。
「入ったら、逃げられねぇかもしれねぇぞ?」
「何それ、魔界への入り口みたいだね。」
笑いながらも、ヒロトの手は熱い。
でも、あたしだってそこまで馬鹿じゃなくて、だから彼の瞳を見つめ返した。
「ここまで来て、アンタの方が怖くなった?」
無意味にはしゃぐあたしに理由を問うでもなく、ヒロトはそれに付き合ってくれる。
目的地なんてないけど、彼が前を歩くから、あたしもそれに続いた。
駅に着いて、電車に乗って、降りた先に広がる景色は、見覚えがある。
「俺んちで良いだろ?」
自分の地元まで連れてきておいて、今更そんなことを聞くだろうか。
しかも、「良いだろ?」という確認の仕方が彼らしい。
思わず笑ってうなづくと、またあたし達は歩き出した。
駅から5分程で、ヒロトの暮らすマンションに着く。
ここにはみんなを含めて何度か来たことがあるし、だから新鮮さなんてものはない。
エントランスを抜け、エレベーターに乗り、部屋の前に来た彼は、鍵を取り出しそれを開けた。
だけどもあたしがノブに手を掛けようとした時、それをヒロトの手が掴む。
「なぁ、ここ俺んちだぞ?」
言葉の意味がわからず、あたしは眉を寄せた。
「入ったら、逃げられねぇかもしれねぇぞ?」
「何それ、魔界への入り口みたいだね。」
笑いながらも、ヒロトの手は熱い。
でも、あたしだってそこまで馬鹿じゃなくて、だから彼の瞳を見つめ返した。
「ここまで来て、アンタの方が怖くなった?」