「さゆ、一泊入院だって。」
そっか、と勇介は言った。
スッチは咥え煙草のままに物憂げな顔をし、こちらを見ない。
だからそんな空気で余計に場が重苦しくなってしまい、誰のものともわからないため息が混じる。
それを肌で感じたらしいシンちゃんは、早々に奥に逃げた。
なのであたしは、勝手知ったるように冷蔵庫からジュースを取り出し、樹里の分と自分の分を作る。
「まだ手がジンジンしてる。」
そう言った彼女は、あたしが飲み物を注いだグラスで手の平を冷やすように、それを飲んだ。
「ねぇ、ヒロトは?」
「アイツはバイト増やしてるみたいだよ。
夏休みは稼ぎ時だとか言ってたし、さゆのこと考えたくねぇってさ。」
問うた樹里に、スッチが言った。
そんな話を聞いていると、まるでヒロトは沙雪のことが好きなんじゃないのかと思ってしまう。
だってこの前だって怒り狂っていたし、そうだったとしてもおかしくはないと思ったから。
「アイツのことはまぁ、放っとけば良いっしょ。」
スッチはそう、肩をすくめた。
楽しい話を見繕うでもなく、あたし達はそれぞれに言葉少なく、悲しみを共有することしか出来ない。
そっか、と勇介は言った。
スッチは咥え煙草のままに物憂げな顔をし、こちらを見ない。
だからそんな空気で余計に場が重苦しくなってしまい、誰のものともわからないため息が混じる。
それを肌で感じたらしいシンちゃんは、早々に奥に逃げた。
なのであたしは、勝手知ったるように冷蔵庫からジュースを取り出し、樹里の分と自分の分を作る。
「まだ手がジンジンしてる。」
そう言った彼女は、あたしが飲み物を注いだグラスで手の平を冷やすように、それを飲んだ。
「ねぇ、ヒロトは?」
「アイツはバイト増やしてるみたいだよ。
夏休みは稼ぎ時だとか言ってたし、さゆのこと考えたくねぇってさ。」
問うた樹里に、スッチが言った。
そんな話を聞いていると、まるでヒロトは沙雪のことが好きなんじゃないのかと思ってしまう。
だってこの前だって怒り狂っていたし、そうだったとしてもおかしくはないと思ったから。
「アイツのことはまぁ、放っとけば良いっしょ。」
スッチはそう、肩をすくめた。
楽しい話を見繕うでもなく、あたし達はそれぞれに言葉少なく、悲しみを共有することしか出来ない。