「さゆは多分、愛されたいんだと思う。」
「…愛されたい?」
想像だけどね、と樹里は前置きをし、頷いた。
「好きだって言ってもらいたいから、すぐに男作ってのめり込んで。
でも全然見極めないから、ろくな相手じゃなくて、別れて泣いて、を繰り返すんだと思うの。」
納得できる部分はあった。
もしかしたら沙雪は、嫌われないように、嫌われないようにとしていたのかもしれない。
だから大地くんのことを許していたわけではなく、捨てられたくない一心で、それでも彼と付き合っていたのだろう。
「あたしね、沙雪に同情してるとかじゃないけど、でもこれからも友達だと思ってる。」
「うん。」
「別に不登校だったとかリスカしてたとか、関係ないわけじゃん?」
「うん。」
「だから沙雪が何を言ったって大地のことは許せないし、悔しいんだよね、あたし。」
樹里の言葉に、あたしは相槌でしか返せなかった。
もちろん彼女と同じ気持ちであることには変わりないけど、もっと早くに知っていたら、と思ってしまう。
今まで樹里がお節介なほどに沙雪のことに口を出していたのは、そういう理由だったからだろうとも思う。
「本当はさ、さゆにはもっと良い人いるはずなのに。」
蝉の鳴き声と、青い空と白い雲。
それと不釣り合いすぎるあたし達の会話は、虚しいばかりだった。
沙雪はもう、手術をしている頃なのだろうか。
「あたしね、大地くんのこと、勇介から聞いたんだ。」
「…愛されたい?」
想像だけどね、と樹里は前置きをし、頷いた。
「好きだって言ってもらいたいから、すぐに男作ってのめり込んで。
でも全然見極めないから、ろくな相手じゃなくて、別れて泣いて、を繰り返すんだと思うの。」
納得できる部分はあった。
もしかしたら沙雪は、嫌われないように、嫌われないようにとしていたのかもしれない。
だから大地くんのことを許していたわけではなく、捨てられたくない一心で、それでも彼と付き合っていたのだろう。
「あたしね、沙雪に同情してるとかじゃないけど、でもこれからも友達だと思ってる。」
「うん。」
「別に不登校だったとかリスカしてたとか、関係ないわけじゃん?」
「うん。」
「だから沙雪が何を言ったって大地のことは許せないし、悔しいんだよね、あたし。」
樹里の言葉に、あたしは相槌でしか返せなかった。
もちろん彼女と同じ気持ちであることには変わりないけど、もっと早くに知っていたら、と思ってしまう。
今まで樹里がお節介なほどに沙雪のことに口を出していたのは、そういう理由だったからだろうとも思う。
「本当はさ、さゆにはもっと良い人いるはずなのに。」
蝉の鳴き声と、青い空と白い雲。
それと不釣り合いすぎるあたし達の会話は、虚しいばかりだった。
沙雪はもう、手術をしている頃なのだろうか。
「あたしね、大地くんのこと、勇介から聞いたんだ。」