そんな中で、一学期の期末テストの期間に突入した。


あたしだって頭が良いわけではないので苦労はしているものの、事前にこれほどまでに勉強したことなんてなくて、だから今回は幾分マシな点数になりそうだと思う。


テスト期間中は学校が午前中で終わるので、陽の昇りきった学校終わり、帰るためにあたしは、中庭をぷらぷらとしていた。



「奈々!」


呼び止めたのは勇介だった。


彼も帰るところだったようで、こちらに寄ってくる。



「なぁ、何か食いに行こうよ。」


まぁ、気分転換にはそれくらい良いのかもしれない。


じゃあ、と言ってふたりで歩き出そうとした瞬間、空からギャルの声がした。



「奈々ー!」


上から降ってきたそれに顔を上げてみれば、窓から顔を覗かせた沙雪が手を振ってくる。


その隣には大地くんもいて、彼もまた、「何やってんのー?」なんて言った。



「うちら一緒に帰るんだけど、奈々と勇介くんも一緒に帰ろうよー!」


久々にキャピった沙雪を見たと思う。


勇介に視線を向けてみれば、「良いんじゃない?」と彼も言うので、あたし達は4人で帰ることとなった。


すぐに2階からバカップルが降りてきて、あたし達と合流する。



「で、どこ行くの?」


「俺、煙草吸いたい。」


口を挟んだ勇介の言葉で、あたし達は結局、学校近くにある河原に行くことにした。


沙雪はテンション高くあたしの腕を引っ張り、転んでしまいそうになるのだが。


それから4人で裏門を抜け、河原までの道を歩いた。