……――――。
……牡丹姫、
「……っ、う」
ただ、まっすぐに哉匡さんを好きなだけだったのに―――……。
母から牡丹の最後を聞いた沙菜は、涙を流しながらそんな事を思っていた……。
「沙菜」
―――……こつん。
額と額をあわせて、母は沙菜にまるで幼子に言い含めるように話し出す。
「生きている時代も違う、出会うこともない、言葉をかける事も出来ないそんな遠い場所から、牡丹姫は応援していてくれるの。あなたの『恋』が叶いますようにって……」
――――……応援?
……こんな私でも、牡丹姫は応援していてくれるのかな?
『「もちろん。あなたの恋、応援しているわ。沙菜………頑張って!」』
牡丹姫……、ありがとう。
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