蒼の鍵を争奪すべく、新羅神社に向かったあの日から、もう五日経った。

今は束の間の休息といった所か、世臨街の隣街の浅茅町に居る。

丁度その町に、鎖葉斗たちの知り合いが居るからだとか。






「此処が……鎖葉斗君たちの知り合いのいる場所?」

美紗が見上げたその場所は、誰でも唖然とする場所だった。

「そうですよ、曼陀羅駄菓子店(まんだらだがしてん)。

キャルナスの親友の経営する駄菓子店です。」

駄菓子店……こんなところにこれから寝泊りするのか……

少し不安になってきた美紗。

然し真帆もめちるも平然としてるので、ここはしょうがなく正気をかまそうと思う。

「さぁ、久々の親友にご対面ー!曼陀羅ー!元気してましたか!?」

キャルナスがボロっちぃ駄菓子店に走りこむと、これまたボロっちぃ駄菓子店の赤い屋根から、音をたてて何かが落ちてくる。


ビュンッ


それは勢いよくキャルナスの頭蓋に直球する。

「うっ……曼陀羅……少しジョークにしてはきつくないですか?」

頭蓋に直球したのは青い頭巾を被った女の子。

くりくりした瞳は金色で、肌は小麦色。

薄い紫色の髪はショートカットで、少しおかっぱっぽい。

「ふんっ、どの面下げてやってきたのじゃ?」

どうやらこの子が曼陀羅らしい。

美紗はもっと仙人の様なお爺さんを想像していたから、意外そうに曼陀羅を見る。

「ほう……そなたが白江殿か!お会いできて光栄じゃ。

こんな馬鹿な男じゃが、役に立っておるかな?」

曼陀羅が美紗の手を握る。

馬鹿な男って……どうやら親友だと思ってるのは、キャルナスだけらしい。

「あ、はい。キャルナスさんにはいつも助けられています。」

「……嘘じゃろ?」

「え……」

「嘘はよくないぞ。」

「……あの、あんまりまだ役に立ってません。」