「ミサ姫様!私から離れないでください。」

金太が私の右腕を掴む。

「ギシャァァアア」

「!!」

金太の背後からもう一体のゾンビが現れた。

ゾンビは口から青い液体を、金太に向かって吐く。

金太はとっさの判断で剣を前に突き出す。

其れは此の場でできる最も適切な判断だった。

だがやはりゾンビの攻撃は防げない。

「金太!!危ない!!」

あたしは白銀界を液体の周りに張る。

白銀界の内部の物の主導権は私に移る。

つまり、此の液体はあたしの支配が効く様になった。

「ギシャァァアア」

液体をゾンビにかけかえす。

ゾンビは自らの攻撃を受け、一気に蒸発する。

「有難う御座います、ミサ姫様。

貴女も御立派になられて……

彌羽姫様も喜ばれる。」

金太がにっこりと微笑んだ。

其の瞬間、私の記憶の奥の彼の人と金太が、
はっきりと被ったんだ。

「お父さん……」

数年前にパッタリと私とお母さんの前から消えた……白江
兼允(しらえ かねまさ)。

其の人そっくり。

笑った時にできる笑窪も、そのまんま。

でも、ミワ姫って……?

嫌だ、そんな事って……

「此方の部屋です。」

螺旋階段を登り続けると、踊場に辿り着いた。

踊場にある鏡を金太が押すと、其処には秘密の入り口が。

「早くお入りください。」

金太が焦ってる。

私はしょうがないから、勢い良くそこに入る。

入るとだだっ広い空間が広がっている。

けれど其処には肝心な物がかけていた。

床だ!

地へとあたしは一気に落ちる。

周りの重力全てがあたしに逆らっているみたいだった。

「いやぁぁああああ!!」






【よって支配者議会を終了とします。】

何……?

此処は何処?