破壊する為の魔法?

「ああそうさ。

なのに君はこんな小細工にしか使わない。

見本を見せてやるよ。」

また裏間口は機関銃を構える。

間口は自らにガリネスを撃ち込み、無重力になり、
空間移動する。

『向上地神の弾・ガリネス』

裏間口の機関銃から撃ち放たれたのは、
ガリネス。

しかし威力は間口の何倍、いやそれ以上。

空を突っ切り、鮮やかに天を斬るガリネスは、芸術品とも言える。

『弾けよ』

間口の左肩に撃ち込まれたガリネスは、一気に爆発する。

「!!ぐぁ……っ」

左肩からは血が溢れ出す。

「痛いだろう?

ここまで痛いのは初めてだろう?

お前は魔法弾を守る為にしか使っていない。

ガリネスだって本来はこれほどの魔法弾なんだ。

さっきも言ったが、魔法弾は破壊する為の魔法。

綺麗事を言うな。

鬼になれ、相手を気迫だけで殺せる程のな。」

……恐かったんだ。

本当は。

今回の旅だって行きたくなかった。

血を見るのも嗅ぐのも嫌だ。

誰かが死ぬのも恐いんだ。

だけど……美紗が、美紗が強くなろうとしているのに見捨てるのは嫌だった。

旅に参加したのは、自己嫌悪から。

くだらない。

そんな甘っちょろい考えなのに、守るなんて……綺麗事言って。

「俺は大馬鹿者だな。」

自分の中でなにかが燃え上がる。

熱い……熱い。

『謳歌鬼神の弾・エリナーゼ』

「!! これは……」






「おお、帰ってきたの?

なにか掴めたか?」

曼陀羅が、目を覚ました間口に問う。

「ああ。」

鬼も謳う、大切な者の為に。