負けたのはショックでは無かった。

ショックだったのは皿の裏切り、

深緑色の魔女の言葉。

理解できない自分がまた苦しいんだ。

「此処は……?」

「やぁやぁ、間口 吾平殿。

儂は曼陀羅。

キャルナスの知人じゃ。

今回は御主に試練を出す。」

現れた少女の言葉はさっぱり意味がわからない。

「試練?」

「さよう。

自分のレベルを上げるのじゃ。

では早速試練を受け渡す。」

どんどん話が進んでく、なんなんだよこれ!

「お主には、己自身と闘って貰う。」

は?

頭おかしいのかコイツ? と思ってると、
目の前に一人の男が現れる。

「!!」

「やぁハロー!」

その男はどこからどうみても、間口 吾平こと俺……

「って、なんだよ!
内面完璧別人じゃねーかよ!」

俺が文句を言うと、曼陀羅はふんっと鼻を鳴らした。

「しょうがないじゃろう。

お主が心を閉ざし、眠り続けてるから喋ったことも無いし。

どんな性格なのか知らなかったのじゃ。」

心を閉ざし眠り続けてる!?

此のオレが!?

「さよう。

かれこれ数日間、目を開けないそうじゃ。」

そんな……

だったら早くこの試練を終わらせて、目を醒まさせなければ。

「甘くかかるな。

此の間口 吾平は通称・裏間口。

お主の弱さがこ奴の強さになら、お主の強さがこ奴の弱さになるのじゃ!」

面倒くさい仕組みだな、ったく。

「さぁカモーン。」

調子こいてる裏間口にオレは魔法弾を撃った。