「…皆さん、ご機嫌はいかがかな?今日は待ちに待った執事試験じゃ。悔いのないよう頑張ってくれ。」
校長の挨拶のあと試験官の先生が数人各クラスの前にきた。
「…では移動する。付いてきなさい。」
先生の言う通り、クラスの皆が列を作り後ろを付いていく。
いよいよだ…
そう思うと緊張のせいか手の震えがおさまらない。
そんな時誰かの手が肩に触れた。
「…勝。」
「大丈夫だって。」
いつものようにニカッと笑って見せた。
その笑顔が今までの緊張をスッと消え去っていくのがわかった。
「…ああ。」
もう、やるしかない。
手にぎゅっと力を入れると前をまっすぐ見つめた。