「…どうしたんだ燈。ボケッとして」



「ううん、なんでもない」



「…あ、そ。こいつらは瑠璃と昴だ。此処に滞在する間、あんたの面倒を見る。
もちろん俺も面倒見てやるけど、俺も天狗から此処を守らなきゃいけないからな」

『天狗から此処を守らなきゃいけないからな』


…捻れて、いる。



複雑な表情のあたしを、女の子が親しげに見つめて、



「はじめまして人間のお客様。私は昴と言います。どうぞよろしくお願いします」




続いて男の子も、軽く頭を下げる。



「…瑠璃、です」




「よろしく…お願いします」