そのまま手を引かれていると、視界が急に開ける。



………天狗の里に、似てる。



「…ここにいるのは、みんな…」



「妖魔だよ」




山の外では気持ちの悪い姿をしていた妖魔は、此処では人間に近い、ほぼ人間にしか見えないような外見をしていた。



ごく普通にお喋りをする者。



笑いながら駆けていく子供。



木陰で涼む恋人達。



どれも、人間らしくて。



「神山は妖魔にも効力を示す。
…最初にここにいたのが、妖魔なのか天狗なのかも、よく分からないんだけど、俺にはね」


「…天狗は、妖魔なの?」


「近い、かな。神格化されて、さらに元のパラメータも高いから。山から離れても一定の外見は保って居られる。
妖魔は…妖魔の種類にもよるから」