「藤次郎どうしてここにいるんだい?!佐助も怪我しているし…」

「それは勿論、ハルさんに代替わりの報告をしにきたんだよ。
こいつに頭領の座を譲ると。
この間こいつが契約の報告をしにきたからな、それと新しい契約者も見に来た」


あたしを見て微笑む、藤次郎さん。


人の良いお爺さんみたいな感じの笑い方。



「と、取り敢えず佐助をどうにかした方が良いんじゃないですか?!」


あまりに平和な空気に、思わず叫んだ。


「あぁ、そうだったそうだった。…鬼狼なんぞの牙で佐助の命は奪えないだろうよ。取り敢えず中に運んでおこうか」