だから、嫌だって言ってるのに。


布団を引っぺがされる。



さぁ、次に来るのは踵落としか、鉄拳か、それともセクハラか。



そしてあたしは逃げようか叫ぼうか。



「…ちょっと佐助っ!何すんのさ!」



「お前が悪いんだろ?」



叫ぶあたし。



受け流す佐助。



これは俗に言う貞操の危機とかいうのじゃないだろうか。



顎を掴まれ、上向かされる。



ヤバいヤバい。キス魔覚醒だ。




そうなる前に。




「離せって…いってんだろ!」



ゴス、と鈍い音が和室に響く…




あたしの右の拳が、佐助のこめかみを直撃した音だった。