「佐助!久しぶりに、飛んで帰ろう?」



あまりに綺麗な夕焼けだったから、思わずあたしはそんな申し出をする。


仕方ねぇな、と苦笑して、佐助はあたしを、あの時と同じようにお姫様抱っこした。


とん、とローファーが地面を蹴る音がした。浮遊、という感じ。


高度を増して、町だとか田んぼとかが見下ろせるくらいになって。


「舌噛むなよ?」


「了解っ」


空を蹴って、走るというのがピッタリくる。

物凄い速度で、夕焼けが視界に広がっては流れていく。