「おい燈ッ、早く帰るぞ」


急かす佐助に、言い返す。


「あんたさ…もうちょっとあたしの事考えられないの?」


だってまだ鞄に物詰め込んでるんだけど?


「考えてるけど?」


……つくづく、予想した通りの答えを返してくれるやつ。


「………そういう意味じゃない。こんなにいろいろ言って、少しはいつか愛想尽かされたらーなんて想像してみたら?」


「俺に愛想尽かすのか?お前が?」


せせら笑うような、サディスティックな笑い方。前に『ツンデレ』なんじゃないか、なんても思ったけど、今なら言えます。


こいつは天性の『俺様』だ。



「大体あんたさ、何様のつもりで言ってんのよ?」


ほら、やっぱり、





「俺様で、神様だけど?」






あの時は、佐助をこんなに好きになるなんて考えてもみなかった。