「……好きだ。燈」


何も言えず、あたしは黙って佐助を見つめていた。



「あのままあいつと戦ってたら、多分俺は死んでた。守ってくれて、ありがとう」



いつもの俺様で我儘じゃない、佐助。



あたしの方が、佐助には守られてた。



さっきのキスは、全然嫌じゃなくて、前みたいなふざけとも感じなくて、そこには優しさだけがあって。



「…変な佐助」


「な!お前俺が久しぶりに正直に喋ったのに!」




「…ありがとう。嬉しい」





我儘、俺様、神様、変態、だけど、優しい、天狗。



そんな佐助を、素直に愛しいと思った。