す、と襖が開いて、千歳が入って来る。



夕焼けに照らされ、色を濃くする鳶色の髪。




「退屈してたかい?」



「1時間も経ってない」



「そ。なら良かった」



じゃあ、と言って、千歳はあたしに歩み寄る。




「……ずっと此処に居ない?」