やや放心状態、愕然としながらの帰宅。
夫とも話し合い、私の実家での里帰り出産は諦めることに決めた。
次に考えたのは夫の実家へ世話になること。
幸い儀父母との関係は良好だったし、なにしろ二人にとっても待望の初孫だ。
もちろん、実母に比べれば気遣いも必要にはなるけれど仕方がない。
それに、今の住まいからだと私の実家へ行くより距離的にも近い。
認識していた以上に切迫した状況に焦った私たちは、すぐに夫の実家へ連絡を入れた。
翌日、義母から夫の携帯電話に連絡があったのは、昼間の仕事中だったという。
結果は、残念ながら私の実家の状況とまったく同じ。
夫が生まれた産院は、やはり後継者がなく廃業。
近隣の他の病院も予約がとれそうなのは評判がいまいちの産院一つだけだった。