早速、受診したその日の帰りに市役所に寄り、母子手帳の交付を受けた。
一応“おめでとうございます”と言われはしたが対応はまったく事務的なもの。
誤解を恐れずに言うならば、笑顔もなければ心もない、そんな感じで。
その夜、実家の両親に電話で妊娠の報告と里帰り出産したい旨を相談した。
両親はとても喜び、母が私を産んだ病院に状況を聞いてみると言ってくれた。
このときの私は今思うとまったく世間知らずの暢気な馬鹿だった。
産休はいつからとるのだろう?育休はいつまでとるのだろう?などと算段したり、
里帰りなら気兼ねもないし安心だし、上げ膳据え膳かしらね?とほくそえんだり。
自分が生まれた病院で今度は自分が赤ちゃんを産むなんて素敵だなぁと夢を馳せた。
翌日、不安と絶望の奈落の底に突き落とされるとも知らずに・・・・・・。