やっと・・・やっとだ・・・もう、安心してもいいんだ・・・。

まだまだ先は長くこれからだというのに、もう一仕事を終えたような気持ちだった。

こみ上げる感情を抑えるのにいっぱいで、思わず言葉がつまってしまう。

「・・・あの」

「よろしければ、このお電話で診療のご予約もとれますよ?」

「・・・あの・・・ずっと、ぜんぜん何処も・・・産める、ところが無く、て・・・」

「たいへんでしたね・・・」

しみじみとした看護師の心からの労わりの言葉に、

今まで必死で堪えていた涙が堰を切ったように溢れ出た。