現在の週数と健診の状況、そちらでの分娩を希望していることをざっくり話す。

そして――

「あの、ひょっとしてもう予約はいっぱいですか?もう締め切っていたりとか・・・」

ここが最後の砦、頼みの綱なのに、それさえも絶たれてしまったらもう・・・・・・。

ほんの僅かな間なのに、最後の審判を待つような、長く祈るような気持ちだった。

「当院は、基本的に分娩予約の制限はしていないんですよ」

ずっとずっと胸をぎゅうぎゅう締め上げていたものが解けていくような気がした。

「本当ですか!?」

「はい。20週くらいまでに一度受診していただいて、ご予約いただければ。

もちろん、それを過ぎたからと言ってお断りすることはありませんが。

早くおいでいただくのに越したことはありませんので」

看護師の話し方は、とても優しくて、そして、とても頼もしかった。