妊娠初期でまだお腹も目立たない頃――
バッグのキーホルダーに気づいた人が席を譲ってくれたこと、覚えてる。
“最近の若者は”なんて台詞があるけど、席を譲ってくれる人の多くは若者だった。
正直、子育てを終えて一段落したお姉様方が譲ってくれることはあまり……。
“自分達の時代はもっと大変だった”という気持ちか?或いは厳しい愛の鞭か?
もちろん、年代でひとくくりにすることなんて出来るわけがない。
だからこれはあくまでも私自身が個人的に感じた傾向にすぎないけど……。
路線や乗車区間、利用する時間帯などで状況は異なるのかもしれないし。
私の場合は、沿線に大学が多かったせいか大学生と思しき人がよく席を譲ってくれた。
女の子が多かったけど、一見無愛想な男の子が声をかけてくれたこともあった。
なんとなく“どうぞ”というサイン?を残しつつ黙って席を立ち移動していく子も。
誰かを思いやれる心があって、それを態度で示せる勇気のある若者がちゃんといる。
それはとても頼もしく、これから親になる私の心をほっと穏やかに和ませた。
そうそう、電車と言えば――