特に特別な友達を作ろうとは思わなかった。
あそこの店に超カワイイ服があるんだって。
あそこの新しく出来たカフェのケーキが凄く美味しいんだって。
あの先輩格好いいよね?
だったら3組の**君のほうがよくない?
そんな他愛もない女同士の会話があたしには面倒だった。
だから特定な友達など作らなかった。
話されたら話返すだけ。
それに付き合ってと言われて簡単に付き合ってしまった彼。
もちろん学校でも勉強の彼。
だから、あたしは一人になる事が多かった。
誰も居ない体育館の裏。
そこがあたしの唯一落ち着ける場所だった。
そこから見る青空があたしは好きだった。
「あれ?七瀬じゃん」
不意に聞こえた声に視線を向けると薄い茶色のサラサラの髪。その髪の隙間からチラチラ見えるピアス…
「あ、横山くん…」
どう見ても浮いている彼は中3とは思えない要素。
3年になって初めて同じクラスになった横山くん。