その不愉快度があたしの苛立ちを沸き立たせ、あたしの顔に思わずシワが寄る。


ウザい。
ウザい。
ウザいと言うよりも消えてほしい。

何であたしがコイツにこんな事、言われてんの?


誰とでもヤルって…、あたし誰とでもヤってないし。カケルとだってヤってないし…。


まだ処女だし…


名前も知らない、この目の前の男をおもいっきり睨みつけ、あたしはその場から駆け足で家までの道のりを走った。


もう、カケルがあんなんだから、あたしまで色々言われてんじゃん。

いつから噂流れてんの?


もう嫌…


たしかにアイツが言ってた事は当たっているのかもしんない。


“さすがいつも強気だね。でも心ん中は結構辛いんだろ?”


当たってるからこそ悔しいと思った。

こうやっていつも布団に包まって落ち込む所とか…。

昔は全然そうじゃなかった。こうなったのもカケルを好きになってから。


自分が自分じゃないように凄く落ち込む時だってある。


暫く布団に包まっていると、密かに聞こえてくる着信音の音が耳に入り、あたしはゆっくり布団を剥ぎ取り、鞄の中に入っている携帯を取り出した。