「勝利する自信がおありなんですね」

「ないっ」

ロバート様がきっぱりと断言した

「え?」

私は目を丸くする

ない…ってそんな自信満々に言わないでください

どうするおつもりなんですか?

「時代がどう転ぶか…俺にも予測不可能なんだ
できれば、王を殺したくない
エドワード1世が生きている間は…絶対にベイリャルに王でいてほしい
だが、それは俺の望みであって大衆の意見ではない
暗殺集団の計画が成功してしまう場合もあるし、その前に民衆が怒り…暴動を起こすかもしれない
全く別の暗殺集団が、俺の知らないところで動いてるかもしれない
推測できる事柄…可能性をあげればいくつでも不安要素はでてくる
それを一つ一つ解決できるとは俺は思ってないし、そこまで手を広げて調査をする力もコネもない
だが、目の前広がる問題はクリアしていかないといけない
自信がなくても…たとえ無理だとわかっていることでも俺は成し遂げなければいけない
それが俺の立っている場所だ」

ロバート様が力強く頷いた

『俺の立っている場所だ』か…

自信がなくても

無理だとわかっていることでも

ロバート様は立ち向かうんだ

まるで今日の手合わせみたいに…てこと?