「そんな顔をするな
俺が敵だからって、イコール悪者ってわけじゃないだろ?
俺だって王座を狙っている一人だ
王座を狙っているなら、必ず巻き込まれる争いだ
最初から、仲間に入れてくれていて、嬉しいくらいだ」

ロバート様が勝気な瞳で、笑う

本当にそう思ってるんですか?

「三つ巴は面倒くせえよなあ…
今は、国王VS暗殺者VS俺…ってなってるけど…絶対に誰かが裏切って
もっと対立するグループが増えるんだぜ
そんなのを知ったら、エドワード1世の思うツボだ
それに俺が恐れてるのは、国王陛下の死だ」

「スコットランドの王ってこと?」

「ああ、ベイリャルがもし暗殺集団に殺された場合…
俺は、もうスコットランドに王は存在しなくなると考えている
暗殺集団はそうは考えてないんだろうけどな
今、動くってことはベイリャルが死ねば、自分たちの誰かが王座につけると思ってる
だが、ベイリャルの後ろにエドワード1世が立っているのを知らない…てか見えていない
ベイリャルが暗殺された…てなれば、エドワード1世が黙ってないだろう
そこまで先の未来を暗殺集団が予想できていないのが…なんというか…
馬鹿というか、阿呆というか
何も見えてない視野の狭さに頭が痛くなる」

ロバート様が肩を竦めた

「困ったもんだの大問題だよ」

「そんなお茶目に言っても…」

「心配するな
俺は勝つ
必ず王になる…たぶんな」

ロバート様が苦笑した