私は裁縫道具をしまうと、ベッドに向かった

私が奥に入り、それからロバート様がベッドに入る

枕をクッションにして、背中に入れると私はロバート様の横顔を見た

「急に生活ががらりと変わるわけじゃないけど…これからは城を開ける日がでてくると思う」

「それはアンドリュー様に関係あるんですか?」

「いや、全く関係ない
俺はイングランドが嫌いだ
違うな
イングランド王が嫌いだ
スコットランド王ジョン・ベイリャルも嫌いだ」

ロバート様が、唇をぺろっと舐めた

赤い皮に艶が出る

「俺はスコットランド王になる
すぐには無理だし、今はジョン・ベイリャルが王であるのが妥当だと思ってる
嫌いだけど
俺は己の感情だけで、突っ走るような馬鹿な男じゃないと思ってるし
視野の狭い男にはなりたくない
イングランド、フランス、スコットランド…各国の情勢や動きを見て、王になる時期を待っている
それまではスコットランドの王はベイリャルでいいと思ってる
どんなに足掻いても、背延びをしても今のスコットランドには
イングランドに勝てる力はない」

ロバート様の視線が、私から外れてまっすぐ前を見つめた

まるで少し先の未来を見ているかのようだった