「アンドリューは国王の騎士だろ?
俺と親しくしている唯一の貴族…とも言える」

これ以上…俺に言わせるな

俺の推測を、打ち消せよ

俺の目を見て、「違う」とはっきりと言えよ

「エディンバラ城の警備兵に過ぎない」

アンドリューがぼそっと返事をする

国王の騎士団長が、警備兵なわけないだろうがっ

ふざけるなっ

本当に知らないふりをするのかよ

「俺がハイランドと手を組んで、反乱軍を立ち上げるつもりかどうか、調べてくるように言われてるんだろ?
それとも、反乱分子になりうる俺を殺せとでも…暗殺命令でもでたか?
国王陛下は馬鹿で気弱だが、根回しはいいようだな
王になって、優秀なスパイがついたか?
それとも考え方が捻くれてるぶん、悪巧みを思いつくのが上手なのか」

俺は言葉を止めると、アンドリューの背中を見た

まだ動かない

まるで氷のように全身を固めている

微々たる動きさえも見逃さずに、チェックしてやろうと思っている俺に気づいているのだろう

察知されないように

必死に隠している…といったところか

お前にとって俺は、そんな程度のものか?

簡単に裏切られるほどの薄っぺらい関係だったのかよ