「俺は親友を裏切らない」

アンドリューが、背を向けたまま呟いた

「それはどういう意味だ?
俺はお前にとって親友ではない…ということか?」

アンドリューは手をぎゅっと握り、拳を作った

こっちを見ろよ

目を見て、話せ

目を見なければ、嘘か本当かわからないだろ?

「俺を疲れさせて集中力が落ちているときなら、情報を引き出せると思ったのか? 
どんな情報を仕入れたいのか知らないが……いや、予想ならできるが
あの捻くれた馬鹿が考える内容を俺が実行するとでも思ったか? 
阿呆臭くて、鼻がもげる」

「ロバート、何を疑っているのか、俺には、さっぱりわからない
親友の結婚祝いを言いに来ただけだ
さっきの手合わせだって、細っこい身体のお前を見ていたら、鍛えたくなっただけだ! 
真っ白な顔をして突っ立っていたら、身体の血の巡りを良くしたくなるだろ?」

「ならねえよ」

アンドリューは、背を向けたまま話を続けている

こっちを向けよ

頼むから

真実を言えよ