「イザベラ様?」

背後で、世話係の子爵夫人の悲鳴のような声が聞こえる

ああ…どうしよう

はしたないって思われたよね?

奥方らしからぬ…というか女らしくないって思われたよね

「あ…の、す、すみませんっ」

私は尻を打って、ぽかんとしてるアンドリュー様に謝った

「ぷっ…あははっ」

ロバート様が、大きな声で笑いだした

え?

呆れたんじゃないの?

私は恐る恐る顔をあげて、ロバート様を見つめた

「ざまあみろ
俺の妻に、触ろうとした罰だ」

「あ…あの、私…」

私はロバート様とアンドリュー様を交互に見やった

「すげえ力だ
どっから出してるの?」

アンドリュー様も立ち上がると、私の全身をまじまじと眺めた

「確かに腕は引き締まってるよな
鍛えてある筋肉だが…俺を持ち上げるって相当な力がないとだぞ」

アンドリュー様が、私のまわりを一周して観察してきた

え? え?

怒ってないの?