こんな人と、本当に親友同士なの?

「これから俺ら、手合わせするんだけど…見る?」

アンドリュー様が、私に聞いてくる

「いいのですか?」

「構わないよ…って俺が圧勝する姿を見せつけるだけなんだけどな」

アンドリュー様がまた「がはは」と豪快に笑った

「馬鹿みたいに力しかないからな、お前は」

「失礼なっ
騎士団長になるくらい強い男だと認めろよ」

「『なるくらい』じゃなくて、実際に騎士団長なくせに
なに、言ってるんだよ
それにな、これからを生き抜くには力だけじゃ駄目なんだよ
いくら腕っ節に自信があったって、先を見越す力と頭脳がなければ生き抜けない」

ロバート様が私と目が合うと、恥ずかしそうに喉を鳴らした

「負けるからって、今から言い訳すんなって!」

「うるせえな
言い訳じゃねえよ
騎士団長が俺に負けるようなら、恥ずかしいだろうがっ
勝って当たり前のことで自慢するな」