「アンドリュー、待てよ」

アンドリュー様の後ろから、ロバート様の声がした

「だって、可愛い花を見つけたら、吸い寄せられるだろ?」

アンドリュー様が私の顔を見て、にこにこと笑っていた

「俺に手合わせを願い出しておいて、女に吸い寄せられてるんじゃねえよ
この女好きがっ」

ロバート様?

私はアンドリュー様の後ろから見えてくるロバート様を見つめた

細長い足を大きく開いて近づいてくる

肩に、鞘の入っている剣を乗せていた

手合わせって言ったから…アンドリュー様と戦うの?

「イザベラ?」

ロバート様が私に気がつくと、ふっと優しく顔を崩して微笑んでくれた

私も会釈を返す

「あぁ…あ、全く若い奥さんを貰った男は嫌だねえ
頭の上に花が咲いていやがる
俺がその花、叩きってやる」

アンドリュー様が、ロバート様に振り替えると嫌味をぶつけた

「なら…お前も結婚をすればいいだろ」

「まだまだ、遊びたいんでね
俺を愛する女のうち…誰か一人になんて絞れない」

この人って…浮気ばかりしているの?

一人に絞れないって…堂々と言えるなんて、相当もてるのね