「…で? 新妻のところに行きたくなった?」

「はあ?」

俺は眉に力を入れた

「話をあっちこっちに飛ばすなよっ」

イサンがにこにこと微笑んでいる

「行きたくなったでしょ?」

「意味がわからねえよ
どこがどう繋がって、行きたくなるんだよ」

「ええ? わからない?」

イサンが上目遣いで、くねくねと肩を動かした

「それって、イザベラの真似か?」

イサンが元気よく頷いた

「似てねえよ! 全然、似てねえ」

俺は大きく息を吐くと、腕を組んだ

「妻としての役割を果たせなく…きっと泣いてるよ?」

「あー、うるせえなぁ
行けばいいんだろ
戻ればっ!
イザベラの部屋で一晩、過ごせばいいんだろっ」

俺は立ち上がると、手紙のセットを持って部屋を出た