「相変わらず、言葉の少ない男なんだな」

ジェイミーが部屋に入ってきた

笑顔で、私と生まれたばかりの子を見つめた

「元気な女の子だ!
将来、俺の嫁決定だな」

「え?」

「嘘だよ」

ジェイミーが肩をすくめる

「今回の戦、ハイランドのほとんどの貴族はアンドリュー側についた」

ジェイミーの言葉に、私は顔をあげる

ジェイミーは椅子に座ると、足を組む

「誰もロバートを裏切ってない
ロバートの意思だ
スコットランドが勝利するための、ロバートの計画の一部にすぎない」

ジェイミーが口を緩めて笑った

「俺はこの戦には参加しない
イングランド側にいるロバートと、アンドリュー側にいる親戚たちに挟まれているっていう設定だが…イザベラを敵の魔の手から守るっていう役目をロバートからもらってるんだ」

「言っている意味が…」

「ロバートの計画は大きすぎて、イングランド貴族も、王座を狙うスコットランド貴族も恐れている
ナニをしようとしているのか…理解してないヤツが多い
だから恐怖を感じている
できればロバートを抑え込みたいって考えてる奴もいる
抑え込むには、人質が必要だろ?
だからロバートの弱点であるイザベラを、俺が守る」

ジェイミーが納得しただろと言わんばかりに大きく頷いた